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なぜ、医師はあなたの薬を減らさないのか? その1 病院の収入について

01/14/2020

 

 薬は減らした方が良いと思っている人は多いのですが、医師になかなか言えない、言っても減らしてくれない、という声をよく聞きます。

 

 多くの患者さんは薬をたくさん出すと薬代で病院は儲かるので、儲けるために医師はたくさんの薬を処方するのだと思っていますが、実際は違います。

 

 院外処方の場合、医師に入る収入は処方箋料のみで、薬が1つだろうが10種出そうが値段は同じでクリニックの場合は860円です。

院内処方の場合は薬価差益といって売値(薬価)から仕入れ値を引くと多少利益が上乗せされますが、仕入れ値は案外高く、売り上げが上がってもさほどの利益は生み出しません。

 

 現在、医薬品の仕入れ値は税込みで95-98%ほどかかります。

売り上げは上がるでしょうが、経費としては仕入れ値の他に在庫を置く場所や管理する人の人件費を加えると、利益は殆どありません。

会社を経営している人なら原価率98%の商品を店に並べて、その商品で儲けてると言われれば『いやいや、商売ちゃいますねん。完全にサービスですわ!』と言うでしょう。

 

 では薬を用意する薬局は、仕入れ値が高いのに成り立っているのはなぜか?

薬代の他に、『調剤料』『薬学管理料』などの手数料が入るからです。それは薬の値段に関わらず発生し、種類が1つでも10種類でも発生するものなのです。

 

少し前まで(今も?)、携帯電話会社の代理店では電話機代はほとんどタダ同然でした。それが成り立っていたのは携帯端末代金の売り上げによってではなく、携帯電話会社からキックバックされる報奨金によってでした。

同じように、病院は

薬をたくさん出して、薬代で儲けているわけではなく、

何か薬を出すと発生する、手数料で儲けているのです。

 

薬と儲け(利益)の関係については、

✕薬を減らすと病院が儲からなくなる

ではなく

○薬をなくすと病院は儲からない。

です。

 

 ついでに書くと、国策で診察して処方箋を出すところと薬を用意するところとを分ける医薬分業がすすみました。

以前は仕入れ値と売値(薬価)の違い、即ち薬価差益というものが充分あり、薬を出せば出すほど差益が積もって儲かりました。

医薬分業が進んでいく過程で薬価は引き下げられ、仕入れ値との差がなくなり、差益で儲ける時代は終わりました。

 

 その結果、新規オープンするクリニックは、ほぼ院外処方で、近くに薬局を従えるようになっています。

新規オープンで院内処方をするクリニックもありますが、概ね2つの理由に集約されます。一つ目は門前薬局が来てくれない場合または必要ない場合。もう一つは集客目的です。

 

 たとえば、外科系(眼科、耳鼻科、皮膚科なども含む)などは投薬ではなく消毒、吸入などの処置が中心になったりします。そうすると患者さんは多くても薬が出ないので処方箋はあまり薬局に回りません。対象になる患者さんが少ないので、門前に薬局を出そうとする経営者は少なくなります。

また、眼科や皮膚科だと毎回軟膏や目薬をもらう必要はなく、使う薬の種類が限られています。そうした場合は在庫の管理に手間が掛からず門前薬局の必要もあまりありません。

 

 二つ目の理由には患者さんにもメリットがあります。

内科のようにほとんどの患者さんに薬を出す診療科の場合、患者さんは病院で処方された処方箋を持って薬局に行きます。病院で待たされ、薬局に移動して待たされる事になりますが、院内処方の場合はうろうろせずに一ヵ所で待つだけで済みます。

また、病院で診察代を、薬局で薬代を払いますが、院内処方の場合は二ヵ所で支払うよりも料金が少し安くなります。この二点をアピールすれば集客できます。

 

 

 

 薬を出して儲かるんだったら、院内処方を採用するクリニックがもっと増えているはずですが、院外処方のクリニックが大多数なのはそういう理由です。

 

 時々、『ほな、先生とこも儲けなあかんから、その薬貰うといたるわ』的な言い方をされる方がいらっしゃいます。勤務医、開業医含め、院外処方の場合はその言葉は当てはまらず、給料も増えません。

ほとんどの医師は何も言いませんが、心のなかでは『そういうもんちゃいますねん』と思っていても、説明するには混み合っている外来の途中で、上に書いたようなことを一から言わないといけなくなることも考えて、苦笑いしているだけなのです。

 


 

 

 

 

 

 

 

 

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