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Medical Director

院長紹介

 経験を積むと、こういう患者さんにはこういう治療をするとこういう結果になる、ということがだんだん分かってきます。

経過をみるための定期的な検査よりも、患者さんからの訴えに耳を傾けて検査をした方がより効率的なこと。

おくすりも時々棚卸しをして、不要な投薬を減らしても患者さんの満足度は変わらないこと。

そんなことを漠然と考えていた頃、何かで読んだ本にあった、

『医療の質とは、その技術がどのぐらい多く提供されたかによって測れるのではなく、その後の人生における目標、失意の緩和、機能の回復、機能障害の予防といった健康サービスから得られた結果により密接な関係がある』

という言葉に出会いました。

それは、私が『引き算の医学』とよぶ抑制的な医療を指向するスタイルに迷いがなくなった瞬間でした。

 病院では医師主導で治療を行いますが、そこで働いているのは勤務医です。

勤務医は病院に雇われている立場なので、病院の経営者にとって役に立つ存在であり続ける必要があります。

役に立つというのは病院を維持するために必要な人員を確保する、数合わせだけの場合もあれば、元大学教授など、広告となる肩書きを持っているという事であったりもします。

 病院から見て、一番大事なのは安全ですが、その次は絶対に収益です。私が経営者でも同じ事をいいます。

私が病院で勤務していた頃は売上は出来高制で、行った医療行為が多ければ売上も増える、という仕組みでした。

ということは『引き算の医学』よりも、何でも検査・何でも投薬の『足し算の医学』のほうが評価される世界です。

 引き算を覚えた私にとって、足し算で評価される病院という場所が居心地のよい場所ではなくなってきました。

開業するときがきました。

 平成28年、2015年に開業して、早くも数年経ちましたが、おかげさまで『ありがとうクリニックって何科やねん?』という状態から『それなら、ありがとうクリニックへ』と、ひとから人に口コミでご紹介頂けるようになりました。

このホームページの最初に書いてある様に

1.『自分(の家族)ならどうする?』 
2.シンプルな処方。 
3.無理な生活指導はしない。 

を守りながら治療を行っています。

 但し、若手医師であった頃と、現在の私の考えは大きく変わっています。

ということは私自身が老いたときにはこの考えも変わっているかも知れません。

そうなったとしても、あのときはこう考えていた、ということは大切にしたいと思っています。

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