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Medical Director

院長紹介

『ありがとう芦屋クリニック』院長の芋縄です。

 

 私は大学の救命センターで長く勤務しておりました。

重傷の交通事故や他院各科で治療が困難な、重症の患者さんたちが集まる三次救命センターです。

患者さんもいろいろで、若者のバイク事故・火災事故のやけど・劇症肝炎で透析を必要とする方・睡眠薬中毒・お年寄りの誤嚥性肺炎・原因不明で路上で息絶えているところを発見された方、など。

外科・内科・脳外科・整形外科・形成外科・耳鼻科・眼科・皮膚科・泌尿器科・精神科・・これほど広い分野にわたる治療をする診療科は他には見あたりません。

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 非常に恵まれた環境で、状態の変化があればすぐに検査ができます。

夜中でも、血液検査・X線検査はもちろん超音波・内視鏡・CT・血管造影など、普通なら予約して待たなくてはいけない検査もすぐにできました。

検査が増えれば見つかる病気も増え、ますます忙しくなります。

そしてそれは医師の仕事を始めたばかりの若者には、しんどいけども非常に魅力的な環境でした。

 給料(名目は研修補助金で、病院とは雇用関係はないと言われました)は基本給4万円。

当直すると一晩9,500円もらえます。

サービス残業が当たり前の時代。

病院で残っていると、処置が必要な患者さんがいれば経験を積ませてもらえるます。

患者さんに処置が必要になるのがいつか分からないので、当直でなくてもずっと待機しています。

当然サービス残業で、時給換算すると100円以下の時もありました*。

家にいても空耳で心電図モニターのアラーム音が聞こえたり、普通の人よりもずっと手前で救急車が近づいてくる音が聞こえたりするぐらい仕事をしていましたが、知識と経験がどんどん増えるのであまり気になりませんでした。

*当時の大阪府の最低賃金は650円程度

 毎年50人ほどが大学全体で入局するのですが、20ほどある科目のうちどの科に行くかは成績順でもなく、自分の希望で入れます。

学費の安くない私立の医大だけあって、開業までの期間が短く、学費を回収するまでの期間が短い、皮膚科や眼科・耳鼻科には毎年5人以上入局します。

急変がよくある(=呼び出される)外科はそれより少なく、急変患者を診るための救急科志望はほとんどゼロかせいぜい1-2人で人気がありません。

最近はブラックという言い方が浸透してきましたが、当時は3Kと言われる職場でもありました。

キツイ、汚い、危険の3Kです。

仕事はキツく、血液・吐物・糞尿にまみれ、それらから他人の病気をもらう危険性もあります。

慢性的人手不足でしたが、ローテーションという名目で他科の若手の先生による応援で成り立っている状況でした。

とはいえ同年代の先生方がたくさんいる職場は、研修医の私にとって他科の先生方の知識や考え方を吸収できる、貴重な職場でもありました。

 

 研修も終わり新病院の二番手として赴任しましたが、人数が少ない中、多忙な日々は続いていました。

そんな中、背中を私が押したために*、やめたがっていた上司が職場を去りました。

さらに人数が減って、忙しくなったせいか不摂生のためか、ある夜に猛烈な頭痛と発熱を生じました。

*『人手不足で困っている職場で、円満退職はあり得ませんよ。』と、止めたがっている上司に言ってしまった

 勤務する大学病院まで家内に連れて行ってもらい、外来のベッドに倒れ込みました。

高熱で震えている私に待っていたのは、『検査』です。

指先に機械をはめる簡単な検査で呼吸状態がかなり悪化していることが分かりました。

その後レントゲンを撮られましたが、薬も点滴もなく苦しい状態のまま、採血の結果を待たされます。

肺塞栓の可能性もあるということで、心臓の超音波検査が必要になりました。

40度近い発熱をしている私は、上半身の服を脱がされました。

 担当医は悪寒で震えている私ではなく、画面を見ながら黙って超音波探触子を動かしています。

 10分ほどの事でしたが、その時、私は寒さに震えながら自分が今までやっていた事を理解しました。

私も彼も、病気を調べて治療することを優先し、病人を癒やし気遣うことが後回しになっていたのです。

 

 入院することは残念な事ではありますが、得られたものもありました。

つは、医師として病人であることを体験できたこと。

もう一つは、自分の身の振り方を考える時間。

結局、この入院が引き金となって大学病院を去ることにしました。

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当クリニックは予約優先です。
予約ページからどうぞ。
【休診日】火/日/祝 不定休あり
​※第4金曜日のみ13:30から
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院長経歴

H6   近畿大学医学部卒業
同    同大学救命センターにて勤務
期間中に    

大阪府立千里救命救急センター
藤井病院 外科
関西医科大学 眼科
近畿大学医学部 内分代謝泌糖尿病内科

にて研修
H16  近畿大学医学部奈良病院

    救命救急センター講師
H18  田中病院 内科部長
H21  ロータスクリニック 院長
H27  ありがとう芦屋クリニック 開院

 

資格    

日本救急医学会専門医

日本内科学会 認定医
日本医師会 認定産業医

 

『医療の質とは、その技術がどのぐらい多く提供されたかによって測れるのではなく、その後の人生における目標、失意の緩和、機能の回復、機能障害の予防といった健康サービスから得られた結果により密接な関係がある』

      

-Lembcke PA-

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