第三者
先日来られた患者さんのお話。
ご高齢の方が付き添いの方と来られました。
付き添いの方曰く、今行っている内科の薬が気に入らない、血圧の薬を減らせると思うので減らして欲しいとのことでした。当然病院の紹介状はありませんが、検査データや普段の血圧を書いた紙も持ってきていません。
当院での血圧は相当高いものでした。
本人に聞くと
・元気でいられるならできるだけ長生きしたい。
・食事制限が必要なら我慢できる。
・薬も必要であれば飲みます。
とのこと。
付き添いの方に『おそれながら・・』と関係を問い質すと、親族ではなく、後見人でもないとのこと。
『当院は減薬をウリにしていますが、あくまで『本人が希望したとき』です。
飲みたくない薬を飲んだり食事制限したりしてまで長生きを望まない、不必要な薬を減らして欲しいと希望する方のための減薬外来です。
付き添いの方が薬が多いと思っても、患者さんとの関係は第三者です。今までかかっている先生はこれらの薬が必要と思っているので処方していると推測されます。
病院で測った血圧は高く出ると言われますが、今測った血圧は相当高く、内服を続けるのが妥当です。
全く初対面の私が、投薬履歴や検査・血圧の変動などの薬を減らす裏付けもなく、第三者の話だけを頼りに、本人が希望しない方針で処方はできません。』
と、付き添いの方にお伝えしましたが、納得いただけませんでした。
30分ほどかけてお話ししましたが納得していただけないので、この方の説得はこれ以上しないつもりです。
お知り合い、友人は不満に思っていないけれど、今かかっている病院の治療方針がおかしいと思った方は、以下のいずれかの項目を満たしてから本人と同伴して別の病院に行って下さい。
・本人を説得して考え方を変えさせる(この場合のみ同伴は不要です)
・本人の医療に関して方針を決定し、ガイドラインから外れた医療を行う事には責任を取る旨を記した委任状をもらう
・法的な後見人になる
・結婚・養子縁組して血縁者になる